厚生年金基金と退職金
昭和38年厚生年金基金制度の起源となる構想づくりが開始されました。
その制度の構想が出された背景は、次のとおりです。
その当時、全国の各企業において、わが国特有の退職金制度の充実化して、
更に退職金の年金化をはじめとした企業年金も、普及率が高くなっていました。
厚生大臣の諮問機関である社会保険審議会において、厚生年金保険の改善が検討された際、
新しい企業年金基金制度の構想について、意見を発表されたことが契機となりました。
厚生年金保険・共済年金等公的年金制度と、企業の退職金や年金等私的年金制度との間に、
保険料等負担・年金等支給について、両方の法制度の調整が必要との意見が発表され、
その結果両方の年金制度の調整機能も備えた制度として、厚生年金基金制度が創設されました。
昭和41年10月、厚生年金基金制度は新しい仕組みの年金制度として実施しました。
現在では厚生年金基金加入員数は、全国の厚生年金保険の被保険者の約3分の1を占めるほど普及して、公的年金を一部代行・上乗せする制度として、完全に定着したようです。
しかし現在、経費の大幅削減・節約の一環として、厚生年金基金制度を一部見直す動きが全国で高まっています。例えば、従来の一部代行・上乗せする制度とは別に、厚生年金基金自体を退職金制度とすることも可能であり、他の既存退職金制度と、併用することもできます。
日本国内において、退職金の支給制度は、かなり普及率が高くなっているものの、
労働基準法等労働法の法律で、絶対的義務と定められた制度ではないのです。
例えば、労働基準法第89条は、就業規則の作成及び届出について制定しています。
それによると、退職手当は相対的必要記載事項つまり「定めがある場合は、記載しなければならない事項」であり、退職金制度は、その事業所の任意として設けることができるだけで、義務規定ではないのです。
最近は初めから退職金制度を就業規則等に規定していない、
又は近年退職金制度を廃止した企業が増加傾向にあります。
就業規則に退職金の規定が存在しているか、確認はすべきです。
退職金とは、会社が退職時自動的に支給するとは限らないことを、理解して置くことをお勧めします。